NetBeans IDEでのSubversionサポートの使用NetBeans IDEは、Subversionクライアント・バージョン1.6.x以降と緊密に統合されています。IDEのSubversionサポートは、共有リポジトリから作業するグループの開発プロセスを効率化するように設計され、IDE内で、プロジェクト・システムから直接バージョン管理タスクを実行できます。 このドキュメントでは、バージョン管理ソフトウェアを使用する場合の標準的なワークフローを説明することによって、IDEの基本的なバージョン管理タスクの実行方法を示します。 NetBeans SubversionのサポートはCygwinと一緒に使用した場合には機能しないことに注意してください。 Subversionは、CVSの次世代の後継となりつつあるポピュラなオープン・ソース・バージョン管理システムです。次のような、様々な改善された機能を備えています。
目次 ![]() このチュートリアルを完了するには、次のソフトウェアとリソースが必要です。
Windowsユーザーの場合の注意: バンドル版SubversionクライアントをNetBeans IDEプラグインとしてインストールできます。「ツール」>「プラグイン」に移動し、「使用可能なプラグイン」タブを開き、「Bundled Subversion Client for Windows」をインストールします。 Subversionの設定IDEのSubversionサポートを活用するためには、コンピュータにSubversionクライアント・ソフトウェアをインストールする必要があります。IDEのSubversionサポートは、バージョン管理コマンドを実行するためのSubversionクライアントとの対話によって機能します。システムに応じて、また、デフォルト以外の場所にSubversionクライアントをインストールしたかに応じて、IDEにSubversion実行可能ファイルのパスを登録する必要がある場合もあります。最後に、接続先のSubversionリポジトリがあることを確認する必要があります。 ソフトウェアの取得コンピュータに次のソフトウェアがインストールされていることを確認します。 Subversion実行可能ファイルのパスの指定NetBeans IDEは、コンピュータ上の デフォルトで、Subversion実行可能ファイルは、UNIXおよびOS Xマシンでは *nixベースのマシンでは、ターミナル・ウィンドウに「 Subversion実行可能ファイルのパスをIDEに設定するには:
接続先のリポジトリがあることの確認IDEからSubversionのアクションを呼び出す前に、Subversionリポジトリにアクセスできることを確認します。IDEでは、Subversionリポジトリの作成は頻繁に使用されるアクションではなく(本番環境では、リポジトリは、リポジトリ・レイアウトの設計の決定後に1回のみ作成されます)、さらに、それには管理コマンドが必要であるため、サポートしていません。 ローカル・リポジトリを使用してIDEのサポートを試す場合は、Subversionクライアント・ソフトウェアに含まれているsvnadminツールを使用して作成できます。 コンピュータ上にSubversionリポジトリを作成するには、 svnadmin create /path/to/your/repository 詳細は、http://svnbook.red-bean.com/en/1.1/ch05s02.htmlを参照してください。 ローカル・ファイルとリポジトリの同期バージョン管理システムを使用する場合、ローカル・ファイルとリポジトリを同期させ、ローカル・コピーに変更を行い、それらをリポジトリにコミットすることによって作業します。次の一覧に、特定の状況に応じて、NetBeans IDEでプロジェクトを同期できる様々な方法を示します。 IDEでSubversionプロジェクトを開くIDEの外部で操作していたSubversionバージョン管理プロジェクトがすでに存在する場合、それをIDEで開くと、バージョン管理機能が自動的に使用可能になります。IDEは開いているプロジェクトをスキャンし、それらに リポジトリからのファイルのチェックアウトIDEからリモート・リポジトリに接続し、ファイルをチェックアウトし、それらをすぐに操作する場合、次を実行します。
リポジトリへのファイルのインポートまたは、IDEで操作していたプロジェクトをリモート・リポジトリにインポートし、同期されるようになった後に、IDEでそれを引続き操作できます。 注意: 実際にはシステムからファイルをエクスポートしますが、「インポート」という用語は、バージョン管理システムで、ファイルがリポジトリにインポートされることを示すために使用されています。 プロジェクトをリポジトリにインポートするには:
ソースの編集Subversionバージョン管理プロジェクトをIDEで開くと、ソースの変更を開始できます。NetBeans IDEで開く任意のプロジェクトと同様に、(「プロジェクト」(Windowsでは[Ctrl]-[1]、OS Xでは[Cmd]-[1])、「ファイル」(Windowsでは[Ctrl]-[2]、OS Xでは[Cmd]-[2])、「お気に入り」(Windowsでは[Ctrl]-[3]、OS Xでは[Cmd]-[3])などの) IDEのウィンドウで表示されているファイルのノードをダブルクリックすると、ファイルをソース・エディタで開くことができます。 IDEのソースを操作する場合、自由に使用できる様々なUIコンポーネントがあります。これらは、表示およびバージョン管理コマンドの操作で役立ちます。 ソース・エディタでの変更の表示IDEのソース・エディタでバージョン管理されたファイルを開くと、リポジトリから以前にチェックアウトした基本バージョンに照らしあわせながら、そのファイルに行われた変更がリアル・タイムで表示されます。作業に伴って、IDEはソース・エディタのマージンに色分けを使用し、次の情報を伝えます。
ソース・エディタの左側のマージンには、行ごとに発生した変更が表示されています。行を変更すると、その変更がすぐに左側のマージンに表示されます。 マージンの色のグループをクリックして、バージョン管理コマンドをコールできます。たとえば、左下のスクリーン・ショットは、赤いアイコンをクリックすると使用可能なウィジェットを示しており、ローカル・コピーから行が除去されたことを示します。 ソース・エディタの右側のマージンには、上から下に向かって、ファイル全体に行われた変更の概要が表示されます。ファイルに変更を行うと、すぐに色分けが生成されます。 マージンの特定の場所をクリックすると、インライン・カーソルがファイルのその場所にすぐに移動します。影響を受ける行数を表示するには、右側のマージンの色つきアイコンの上にマウスを動かします。
ファイルのステータス情報の表示「プロジェクト」(Windowsでは[Ctrl]-[1]、OS Xでは[Cmd]-[1])、「ファイル」(Windowsでは[Ctrl]-[2]、OS Xでは[Cmd]-[2])、「お気に入り」(Windowsでは[Ctrl]-[3]、OS Xでは[Cmd]-[3])、または「バージョン管理」ウィンドウで作業する場合、IDEには、ファイルのステータス情報を表示するのに役立つ視覚機能がいくつかあります。次の例では、バッジ(例: バッジ、色分け、ファイル・ステータス・ラベル、およびおそらく最も重要なバージョン管理ウィンドウはすべて、効果的な表示および管理能力、およびIDEでのバージョン管理情報に貢献します。 バッジと色分けバッジはプロジェクト、フォルダおよびパッケージ・ノードに適用され、そのノードに含まれているファイルのステータスを示します。 バッジに使用される色のスキームを次の表に示します。
色分けは、リポジトリに照らして、現在のステータスを示す目的でファイル名に適用されます。
ファイル・ステータス・ラベルファイル・ステータス・ラベルは、バージョン管理ファイルのステータスを、IDEのウィンドウにテキストで示します。デフォルトで、IDEは、ファイルをウィンドウに一覧表示するときに、そのファイルの右側にステータス情報(新規、変更済、無視など)およびフォルダ情報をグレー・テキストで表示します。ただし、この形式は独自のものに変更できます。たとえば、リビジョン番号をステータス・ラベルに追加する場合は、次を実行します。
ファイル・ステータス・ラベルは、メイン・メニューから「表示」>「バージョン・ラベルを表示」を選択して、オンとオフを切り替えできます。 バージョン管理ウィンドウSubversionバージョン管理ウィンドウは、ローカルの作業コピーの選択されたフォルダ内でファイルに行われた変更のすべてを、リアル・タイムで一覧表示します。これはIDEの下のパネルにデフォルトで開き、追加、削除または変更されたファイルを一覧表示します。 バージョン管理ウィンドウを開くには、(「プロジェクト」ウィンドウ、「ファイル」ウィンドウまたは「お気に入り」ウィンドウなどから)バージョン管理ファイルまたはフォルダを選択し、右クリック・メニューから「Subversion」>「変更を表示」を選択するか、またはメイン・メニューから「チーム」>「変更を表示」を選択します。IDEの最下部に次のウィンドウが表示されます。 デフォルトでは、「バージョン管理」ウィンドウは、選択されたパッケージまたはフォルダ内の変更されたすべてのファイルを一覧表示します。ツールバーにあるボタンを使用することによって、すべての変更を表示するか、表示されるファイルの一覧をローカルまたはリモートで変更されたファイルに制限できます。一覧表示されたファイルの上にある列の見出しをクリックして、名前、ステータス、または場所でファイルをソートすることもできます。 注意:
「バージョン管理」ウィンドウのツールバーには、一覧に表示されているすべてのファイルに対して一般的なSubversionタスクを呼び出すことができるボタンも用意されています。次の表は、「バージョン管理」ウィンドウのツールバーにあるSubversionコマンドをまとめています。
「バージョン管理」ウィンドウで、変更したファイルに対応する表の行を選択し、右クリック・メニューからコマンドを選択すると、他のSubversionコマンドにアクセスできます。
たとえば、ファイルでは次のアクションを実行できます。
ファイル・リビジョンの比較ファイル・リビジョンの比較は、バージョン管理されているプロジェクトを操作する場合に一般的なタスクです。差分コマンドを使用すると、IDEでリビジョンを比較できます。差分コマンドは、選択した項目の右クリック・メニュー(「Subversion」>「差分」)および「バージョン管理」ウィンドウから使用できます。「バージョン管理」ウィンドウで、差分を実行するには、リストされているファイルをダブルクリックするか、上部のツールバーにある「すべて差分を取得」アイコン( 差分の取得を実行すると、選択したファイルとリビジョンについてグラフィカルな差分ビューアがIDEのメイン・ウィンドウで開きます。差分ビューアには2つのコピーが並んだパネルに表示されます。右側により現在に近いコピーが表示されるため、作業コピーに対してリポジトリ・リビジョンを比較すると、右パネルに作業コピーが表示されます。 差分ビューアは、バージョン管理の変更を表示する場所に使用されているのと同じ色分けを利用します。前に表示したスクリーン・ショットの緑色のブロックは、より現在に近いリビジョンに追加された内容を示します。赤いブロックは、前のリビジョンの内容が、より最近のリビジョンから除去されたことを示します。青は、強調表示された行で変更が発生したことを示します。 また、プロジェクト、パッケージまたはフォルダなどのグループで差分を実行する場合、あるいは「すべて差分を取得」( 差分ビューアには次の機能もあります。 ローカル作業コピーへの変更の実行ローカル作業コピーで差分の取得を実行する場合、IDEの差分ビューア内から直接変更を行うことができます。これを行うには、カーソルを差分ビューアの右ペインに置き、それに従ってファイルを変更するか、または強調表示された各変更の前後で表示されるインライン・アイコンを使用します。
比較したファイルの相違間をナビゲート差分に複数の違いが含まれている場合、ツールバーに表示された矢印アイコンを使用して、それらをナビゲートできます。矢印アイコンを使用すると、差分を上から下へ出現順に表示できます。
表示条件の変更ローカル作業コピー、リポジトリ、またはその両方からの変更を含むファイルを同時に表示するかどうかを選択できます。
注意: 「バッジと色分け」セクションで説明されている色スキームは、前述のアイコンに関して無視されます。 ファイル・リビジョンのマージNetBeans IDEでは、リポジトリ・リビジョンとローカル作業コピー間で変更をマージできます。マージするリビジョンの範囲を指定できます。2つの別個のリポジトリ・フォルダからのリビジョンの範囲をマージすることもできます。 次のシナリオでは、一般的な使用例を説明しています。
注意: リビジョンをローカル作業コピーにマージした後、それらをリポジトリに追加するには、「コミット」コマンドを使用して、変更をコミットする必要があります。 リポジトリへのソースのコミットソースに変更を加えた後は、それらをリポジトリにコミットします。一般に、競合が発生しないようにするため、コミットを実行する前に、リポジトリに照らして存在するコピーをすべて更新することをお薦めします。ただし、競合は発生する可能性があり、多くの開発者がプロジェクトを同時に操作する場合には自然な出来事であると考える必要があります。IDEでは、これらのすべての機能を実行できる柔軟なサポートを提供しています。さらに、競合が発生したときに、それらを安全に処理できる競合リゾルバも提供しています。 ローカル・コピーの更新「プロジェクト」、「ファイル」または「お気に入り」ウィンドウのバージョン管理された項目の右クリック・メニューから、「Subversion」>「更新」を選択して、更新を実行できます。「バージョン管理」ウィンドウから直接作業する場合、表示されているファイルを右クリックし、「更新」を選択するのみで済みます。 すべてのソース・ファイルに対して更新を実行するには、「すべて更新」アイコン( 競合の解決更新またはコミットを実行する場合、IDEのSubversionサポートはファイルとリポジトリ・ソースを比較して、同じ場所で他の変更がまだ行われていないことを確認します。以前のチェックアウト(または更新)がリポジトリHEAD (つまり最新のリビジョン)と一致しなくなり、さらにローカル作業コピーに適用した変更が、変更されたHEADの領域と一致する場合、更新またはコミットは、競合になります。 バッジと色分けに示されているように、競合はIDEで赤のテキストで表示され、「プロジェクト」、「ファイル」または「お気に入り」ウィンドウで表示した場合に、赤のバッジ(
ファイルをリポジトリにコミットする前に、発生したすべての競合を解決する必要があります。IDEで競合を解決するには、マージ競合リゾルバを使用します。マージ競合リゾルバは、変更を行ったときに、マージ済出力を表示しながら、個々の競合に順番に対処できる直観的なインタフェースを備えています。競合しているファイルについてマージ競合リゾルバにアクセスするには、そのファイルを右クリックし、「Subversion」>「競合を解決」を選択します。 マージ競合リゾルバは、競合のある2つのリビジョンを上のペインに横に並べて表示し、競合領域は強調表示されます。下部のペインは、2つのリビジョン間の個々の競合のマージが行われると表示されるファイルを示します。 上部のペインに表示される2つのリビジョンのいずれかを採用することで競合を解決します。採用するリビジョンの「同意」ボタンをクリックします。IDEによって、採用されたリビジョンがソース・ファイルにマージされ、マージ競合リゾルバの下のペインにマージの結果がすぐに表示されます。すべての競合を解決したら、「OK」をクリックしてマージ競合リゾルバを終了し、変更したファイルを保存します。競合を示すバッジが除去され、これで、変更したファイルをリポジトリにコミットできます。 コミットの実行ソース・ファイルの編集、更新の実行および競合の解決後、ローカル作業コピーからファイルをリポジトリにコミットします。IDEでは、次の方法でコミット・コマンドをコールできます。
「コミット」ダイアログが開き、リポジトリにコミットされるファイルが表示されます。 「コミット」ダイアログには、次が表示されます。
「コミット」ダイアログで、コミットから個々のファイルを除外するかどうかを指定できます。これを行うには、選択したファイルの「コミット・アクション」列をクリックして、ドロップダウン・リストから「コミットから除外」を選択します。同様に、新しいファイルが含まれる場合、ドロップダウン・リストから「バイナリとして追加」または「テキストとして追加」を選択して、MIMEタイプを指定できます。 コミットを実行するには:
サマリーこれで、NetBeans IDE 6.x以降のSubversionのガイド・ツアーは終了です。このドキュメントでは、IDEのSubversionサポートを使用する場合の標準的なワークフローを説明することによって、IDEの基本的なバージョン管理タスクの実行方法を示しました。IDEに含まれる新しいSubversion機能を紹介しながら、バージョン管理されたプロジェクトの設定とバージョン管理されたファイルの基本タスクの実行方法を説明しました。 関連項目関連するドキュメントについては、次のリソースを参照してください。 |
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